フンボルトペンギンの特徴、生態、生息地について解説します。フンボルトペンギンは最も人間の環境に適しているペンギンと言われており飼育する家庭もあります。フンボルトペンギンは南米でしか見ることができないペンギンですので旅行で見てみることをおすすめします。
フンボルトペンギンの基本情報について
フンボルトペンギンはフンボルトペンギン属(ケープペンギン属)に属する鳥類。学名はSpheniscus humboldti。体長は70cmくらいあってチリやペルーの海岸地帯の近くで見ることができます。
| Japanese(和名) | フンボルトペンギン |
| English(英名) | Humboldt Penguin |
| scientific name(学名) | Spheniscus humboldti |
| classification(分類) | Sphenisciformes, Spheniscidae, Spheniscus ペンギン目ペンギン科ケープペンギン属 |
| IUCN Status(保全状況) | VULNERABLE |
| Height(身長) | 60-70cm |
| Weight(体重) | 2-5kg |

フンボルトペンギンのルーツ、起源は?
フンボルトペンギン は、南アメリカの西海岸に生息する温帯性のペンギンです。名前は、この地域を流れる フンボルト海流 に由来しています。
ペンギン全体の起源
ペンギンの祖先は約6,000万年前、恐竜絶滅後まもなく南半球に現れた海鳥から進化したと考えられています。
最古級の化石は ニュージーランド や 南極 周辺で見つかっており、現在のペンギン類はそこから南半球各地へ広がっていったとされています。
フンボルトペンギンの系統
フンボルトペンギンは「バンドペンギン属(Spheniscus属)」の仲間です。
近縁種には、
- アフリカペンギン
- マゼランペンギン
- ガラパゴスペンギン
がいます。
なぜ南米西海岸にいるの?
フンボルトペンギンの生息地は、
- ペルー
- チリ
の沿岸部です。
ここを流れるフンボルト海流は南極周辺から冷たい海水を運びます。
そのため、
- イワシ
- カタクチイワシ
- ニシン類
- イカ
などの餌が豊富で、ペンギンが生息しやすい環境になっています。

分類はどうなるの?
フンボルトペンギンとフンボルト海流はどちらも学者であるアレクサンダー・フォン・フンボルトにちなんで命名されました。フンボルトペンギンはフンボルトペンギン属(ケープペンギン属)で4種の仲間がいます。
| 名前:Name | 属名:Group | 生息地:habit |
| ガラパゴスペンギン(Galapagos Penguin) | Spheniscus フンボルトペンギン属 | ガラパゴス諸島 galapagos islands |
| ケープペンギン(African Penguin) | Spheniscus フンボルトペンギン属 | 南アフリカ South Africa |
| フンボルトペンギン(Humboldt Penguin) | Spheniscus フンボルトペンギン属 | チリ Chile |
| マゼランペンギン(Magellanic Penguin) | Spheniscus フンボルトペンギン属 | 南アメリカ太平洋岸 south america pacific coast |
フンボルトペンギンの分類学
- 界 (Kingdom): Animalia(動物界)
- 門 (Phylum): Chordata(脊索動物門)
- 綱 (Class): Aves(鳥綱)
- 目 (Order): Sphenisciformes(ペンギン目)
- 科 (Family): Spheniscidae(ペンギン科)
- 属 (Genus): Spheniscus(フンボルトペンギン属)
- 種 (Species): Spheniscus humboldti(フンボルトペンギン)
フンボルトペンギンの生息地について
フンボルトペンギンは南アメリカの西海岸に住んでおります。主に生息地はチリと一部はペルーで、ここにはフンボルト海流があり、この近辺に住むことからフンボルトペンギンと言われています。フンボルト海流は食物を継続的に供給しているため、膨大な数の海鳥の生息が確認できます。
1. 地理的分布
- 場所:南米西岸、ペルーおよびチリ沿岸
- 具体的な分布地域:
- ペルー北部沿岸(ラ・リベルタ州〜イカ州)
- チリ北部沿岸(アタカマ州付近)
- 主にフンボルト海流(冷たい海流)沿岸に生息
2. 生息環境
- 岩礁や小島の海岸に巣を作る
- 巣は岩陰や小さな穴、砂地の巣穴に作られる
- 海に近い場所を選び、魚を捕りやすい環境を好む
3. 生態的特徴
- 冷たい海流で小魚(アンチョビ、イワシなど)が豊富な場所を好む
- 繁殖や巣作りは餌の量や海水温に依存
- 群れで生活し、協力して餌を探す

特徴は?どんな感じの生物なのか?
フンボルトペンギンは頭部から上面は黒いです。胸部から腹部は白く、黒い斑点が入ります。虹彩は赤褐色で胸部に1本の黒い帯のラインが入っています。フンボルトペンギンはコロニーを形成します。協調性がとても強く、浮気をしません。主にペルーでは1月、チリでは2月に換羽をします。ペンギン類としては浅い水深までしか潜水できず、27Mくらいです。潜水時間は1分から2分。
1. 体の特徴
- 体長:約65〜70 cm
- 体重:約3〜5 kg
- 体型:中型でずんぐりした体型
- 羽毛・模様:
- 背中は黒、腹は白
- 胸に黒い帯模様があり、頭部には白と黒の独特な斑紋
- 目の周りや顔に白い部分が多く、個体識別がしやすい
- くちばし:中くらいの長さで頑丈、魚を捕るのに適応
2. 行動・動作
- 水中での泳ぎが非常に俊敏で、魚やイカを追いかける
- 陸上ではヨチヨチ歩きで、群れで社会的に行動
- 繁殖期にはペアで巣作りし、協力してヒナを育てる
3. 食性
- 主食は小魚(アンチョビ、イワシなど)
- イカや甲殻類も食べる
- 餌の量や種類は海流や季節の変動に影響される
4. 繁殖・寿命
- 年に1〜2回繁殖、巣穴や岩陰に1〜2個の卵を産む
- 両親で交代して抱卵・育雛を行う
- 野生での寿命は約10〜15年
5. 性格・行動の特徴
- 群れで協力して餌を取る社会性が高い
- 海中では俊敏で活発、陸上では警戒心を持つ
- 繁殖期には縄張り意識を示すこともある
性格はどんな感じになるのか?
フンボルトペンギン属の性格は全体的に同じ傾向にあり、思慮深いところがあります。フンボルトペンギンは比較的飼育もされており、人間に親和性が高い動物です。敵対行動として屈みながら頸部を捻じって片目で相手を見る行動をみせることがあります。
1. 社会性
- 群れで生活することが多く、協力して餌を探す
- 繁殖期にはペアや小規模な群れで巣作りを行う
2. 警戒心
- 陸上ではある程度の警戒心を持ち、人間や捕食者に慎重
- 海中では非常に俊敏で、危険を察知すると素早く逃げる
3. 活発さ
- 水中での狩りは活発で機敏
- 魚を追いかける姿は非常に素早く、遊んでいるようにも見える
- 陸上ではヨチヨチ歩き
4. 頑固さ・独立性
- 繁殖期には巣やヒナを守るため、縄張り意識を示す
- それ以外では比較的協調的で群れに従う
5. 人間から見た印象
- 陸上では可愛らしいヨチヨチ歩き
- 海中では俊敏で、見ていて楽しい動き
- 性格的には好奇心がありつつも用心深い
フンボルトペンギンの生態は?
フンボルトペンギンの食べ物は魚やイカ、甲殻類です。婚姻様式は一夫一妻制で繁殖期は4 – 5月に行われることが多いです。2個の卵を産み、産卵間隔は2-3日で抱卵期間は40日程度、ヒナは「クレイシュ」を形成しないい傾向にあります。平均寿命は25年ほど。
1. 生息環境
- 場所:南米西岸(ペルー北部~チリ北部沿岸)
- 環境条件:
- 冷たいフンボルト海流沿岸に生息
- 岩礁や小島、洞窟・巣穴に巣を作る
- 海に近い場所を好み、魚を捕りやすい環境
2. 食性
- 主食:小魚(アンチョビ、イワシなど)、イカ、甲殻類
- 狩りの方法:海中で潜水して追いかけて捕食
- 餌の量や種類は季節や海流の変動に影響される
3. 繁殖
- 繁殖期は年に1〜2回
- 岩陰や巣穴に1〜2個の卵を産む
- 両親で交代して抱卵・育雛を行う
- ヒナは数週間で巣立ち、親から泳ぎ方や餌の取り方を学ぶ
4. 行動
- 群れで生活し、協力して餌を探す
- 陸上ではヨチヨチ歩き、水中では俊敏に泳ぐ
- 繁殖期には巣やヒナを守るため、縄張り意識を示す
5. 寿命
- 野生で約 10〜15年
- 餌の量や天敵、海流の変動によって生存率が変わる
フンボルトペンギンの天敵は?
フンボルトペンギンの天敵はセチュラギツネ、ペルーカモメ、ミナミトウゾクカモメ、クロコンドルなどで、特に卵やヒナが狙われる傾向にあります。野生の巣は特に荒らされます。

フンボルトペンギンの換羽
フンボルトペンギン は、年に1回、全身の羽毛を新しくする換羽(かんう)を行います。
ペンギンの羽毛は防水性と保温性を保つため非常に密集しており、傷んだ羽毛を定期的に交換しなければ海で生活できません。そのため、フンボルトペンギンは短期間で全身の羽を一斉に生え替える完全換羽を行います。
換羽前
換羽前の数週間は海で盛んに餌を食べます。
主な目的は、
- 体脂肪を蓄える
- 体重を増やす
- 換羽中の絶食に備える
ことです。
この時期は普段よりふっくらした体つきになります。
換羽中
換羽が始まると陸上や岩場で過ごします。
換羽期間は一般的に、
- 約2〜3週間
- 個体によってはやや長くなることもある
とされています。
この間は、
- 羽毛が大量に抜ける
- 防水性が失われる
- 海に入れない
- 餌を捕れない
ため、ほぼ絶食状態になります。
換羽後
新しい羽毛が生えそろうと、
- 防水性が回復
- 保温力が向上
- 再び海へ出る
- 採餌を再開する
ようになります。
換羽後は失った体重を回復するため、活発に魚を捕ります。
フンボルトペンギンの潜水
フンボルトペンギン は、南米西海岸の冷たい海で暮らす優れたダイバーです。主に海中で魚を追いかけて捕食し、一日の大半を採餌に費やします。
潜水の深さ
普段の採餌では、
- 10〜30m程度の潜水が多い
- 50m以上まで潜ることもある
- 深い場合は100m前後に達する記録もある
とされています。
ただし、多くの獲物は比較的浅い海域にいるため、日常的には浅めの潜水が中心です。
潜水時間
一般的な潜水時間は、
- 約1〜2分
- 長い場合は2〜3分程度
です。
獲物を探しながら何度も潜水と浮上を繰り返します。
泳ぐ速さ
海中では翼を羽ばたくように使って泳ぎます。
- 通常速度:時速5〜10km程度
- 獲物を追う時:時速15km以上
に達することがあります。
その姿から「海を飛ぶ鳥」とも呼ばれます。

フンボルトペンギンの鳴き声
フンボルトペンギン は、ペンギンの中でも比較的よく鳴く種類です。同じバンドペンギン属の アフリカペンギン や マゼランペンギン と同様に、鳴き声を使って仲間や家族とコミュニケーションを取ります。
どんな声で鳴くの?
フンボルトペンギンの代表的な鳴き声は、
- 「ホォー、ホォー」
- 「アーオー、アーオー」
- 「グォーッ、グォーッ」
のような低く響く声です。
繁殖期には首を伸ばして空を向き、大きな声で鳴くことがあります。
鳴き声の役割
① 求愛・つがい形成
繁殖期になるとオスは大きな声で鳴き、
- 自分の存在をアピールする
- メスを引き寄せる
- つがい関係を維持する
といった役割を果たします。
② なわばりの主張
巣の近くでは、
- 「ここは自分の巣だ」
- 「近づかないでほしい」
という意味で鳴くことがあります。
③ 親子の認識
繁殖地には多くのペンギンが集まりますが、
- 親はヒナの声を聞き分ける
- ヒナは親の声を覚える
ことで、混雑したコロニーの中でも再会できます。
フンボルトペンギンの季節別の活動
フンボルトペンギン は、主に ペルー と チリ の沿岸に生息しています。
生息地は一年を通じて比較的温暖で、南極のペンギンのように厳しい冬を過ごすわけではありません。そのため、活動は気温よりも海の状態や餌の量の影響を強く受けます。
春(9~11月頃)
主な活動
- 求愛行動
- つがい形成
- 巣作り
- 産卵準備
オスは首を伸ばして大きな声で鳴き、メスにアピールします。
巣は、
- 岩の隙間
- 洞穴
- グアノ(海鳥の糞が固まった地層)の穴
などに作られます。
夏(12~2月頃)
主な活動
- 産卵
- 抱卵
- ヒナの誕生
- 子育て
通常は2個の卵を産みます。
親は交代で抱卵し、孵化後は魚を食べて戻り、吐き戻した餌をヒナに与えます。
この時期は採餌活動も活発になります。
秋(3~5月頃)
主な活動
- ヒナの成長
- 巣立ち
- 若鳥の独立
- 採餌活動の増加
若鳥は徐々に海での生活を学び、自力で魚を捕るようになります。
親鳥も子育てによって失った体力を回復するため、積極的に採餌します。
冬(6~8月頃)
主な活動
- 換羽(羽毛の生え替わり)
- 休息
- 体力回復
- 採餌
換羽中は約2~3週間ほど陸上で過ごします。
この期間は、
- 海に入れない
- 餌を捕れない
- 絶食状態になる
ため、換羽前に十分な脂肪を蓄えます。

フンボルトペンギンのヒナについて
フンボルトペンギン(Spheniscus humboldti)のヒナについて整理します。
1. 卵から孵化まで
- 産卵数:通常1〜2個
- 巣:岩陰や洞窟、小さな穴に作る
- 抱卵期間:約 38〜42日
- 両親が交代で卵を温める
2. ヒナの特徴
- 体毛:灰色や淡い茶色の柔らかい羽毛
- 体重:孵化時は約 80〜120g
- 目立たない色:天敵から身を守るため
3. 成長と巣立ち
- 巣立ちまで:約 8〜10週間
- 親から泳ぎ方や餌の取り方を学ぶ
- 巣立ち後は群れと一緒に海に出て、自立して狩りを行う
4. 生存率の課題
- 天敵(カラス、ネコ、ネズミ、海洋哺乳類)に狙われやすい
- 餌の量や環境条件によって生存率が変動
- ヒナ期が最も危険な時期で、親の保護が不可欠
フンボルトペンギンは絶滅危惧種なの?
フンボルトペンギンは絶滅危惧種です。推定個体数は約30000くらいとされており、年々減少傾向にあります。これは以下のような原因があるからです。乱獲などが問題となり、団体が動いています。保護のイベントなども開催されるようになりました。
1. 現状
- 国際自然保護連合 (IUCN) レッドリスト:Vulnerable(絶滅危惧Ⅱ類)
- 世界の野生個体数は 約32,000羽前後 と推定され、減少傾向
- 南米西岸の限定的な分布(ペルー・チリ沿岸)に依存
2. 主な絶滅の脅威
- 漁業による餌の減少
- 小魚(アンチョビ、イワシなど)が減少すると繁殖率低下
- 海洋汚染・油流出事故
- 羽毛に油が付くと泳げなくなり死亡リスクが増加
- 天敵や外来種
- ネコやネズミがヒナや卵を襲う
- 気候変動
- 海流や水温の変化で餌資源が減少
3. 保護活動
- 繁殖地の保護(国立公園・保護区の整備)
- 漁業管理による餌の確保
- 油流出事故や外来種への対応

フンボルトペンギンの飼育は可能なのか?
フンボルトペンギンは生息数が減少傾向にあり、絶滅危惧種に指定されているので手に入れることは極めて困難です。水族館や動物園から譲ってもらうしか選択肢はありません。ただし人間の住む環境に適応しやすいためおすすめでもあります。
1. 飼育の現状
- 世界の動物園や水族館で飼育・繁殖の実績がある
- 自然環境に近い条件を整えることが前提で、専門施設での飼育が必要
- 繁殖も可能だが、自然環境と同様の管理が難しい
2. 飼育上の課題
- 水温・気温管理
- フンボルト海流沿岸の冷たい水温に適応しているため、水槽や空調で適切に管理
- 餌の管理
- 小魚(アンチョビ、イワシなど)を中心に、栄養バランスを維持する必要
- 繁殖の難しさ
- 巣穴や岩陰に似た環境が必要
- 繁殖率は自然環境に比べ低くなることが多い
- 絶滅危惧種であること
- 国際規制(CITESなど)があり、捕獲や移動は厳しく制限される
3. 結論
- 一般家庭での飼育は不可能
- 専門施設での飼育・繁殖も高度な環境調整や管理が不可欠
- 野生個体の保護や生息地維持が最も重要
飼育されている動物園(日本・世界)
フンボルトペンギン は、日本で最も多く飼育されているペンギンの一種です。暑さに比較的強く、日本の気候に適応しやすいため、多くの動物園や水族館で展示・繁殖が行われています。
日本の主な飼育施設
全国では60~70以上の施設で飼育されているとされています。
代表的な施設は次のとおりです。
- 葛西臨海水族園
- 長崎ペンギン水族館
- 埼玉県こども動物自然公園
- 旭川市旭山動物園
- 札幌市円山動物園
- 新潟市水族館 マリンピア日本海
- 長野市城山動物園
- 京都水族館
- アドベンチャーワールド
- 仙台うみの杜水族館
- 伊勢シーパラダイス
- とべ動物園
日本での繁殖
フンボルトペンギンは日本国内で繁殖実績が非常に多く、動物園・水族館同士が協力して保全繁殖に取り組んでいます。日本平動物園では他園との卵交換による繁殖成功例も報告されています。
世界の主な飼育施設
北アメリカ
- Saint Louis Zoo
- Brookfield Zoo
- Woodland Park Zoo
- Denver Zoo
ヨーロッパ
- London Zoo
- Chester Zoo
- Tierpark Berlin
- Zoo Leipzig
南アメリカ
- Parque Metropolitano Zoo
- Parque de las Leyendas
これらの施設では、野生個体群の減少を受けて繁殖・研究・保全活動が行われています。

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